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内々定率は国内学生の半分以下!コロナ禍で日本人留学生が直面する就職活動への影響とは

新型コロナウイルス感染拡大により、海外の大学で学ぶ日本人留学生の生活にも大きな影響が出ています。再入国が困難である等の理由から留学先に留まり、オンライン講義を受けるなど学生生活や学習環境において急激な変化に直面しています。また、就職活動においても、従来は海外大学のキャンパス内で行われていた企業説明会への参加や日本への帰国時期にあわせて参加予定であった留学生対象の合同説明会が中止になり、就職活動が困難な日本人留学生が多く発生しています。今回は、海外の大学で学ぶ日本人留学生の最新の調査結果から、彼らの就職活動の状況や国内学生と日本人留学生との採用の違いなど、コロナ禍において直面している就職活動への影響について解説します。

国内学生と日本人留学生の内々定率では大きな差がーホテル・旅行・航空業界の採用縮小も影響

今年8月に調査した「日本人留学生就職モニター調査  8月の活動状況」(有効回答数:253名)によると、日本人留学生の「内々定率」は33.2%(「内々定を得た」+「入社先を決めて就職活動を終了した」)となりました。7月末時点での国内学生の内々定率は73.1%*で、日本人留学生の内々定率と大きな差があります。日本人留学生の内々定率が低い理由として考えられるのは、新型コロナウイルスの影響で予定より早く帰国したことによる変更就職活動の準備不足や、就活イベントの中止、企業の採用時期の遅れや中止などが考えられます。特に留学経験のある学生を積極的に採用しているホテル・旅行・航空業界の採用縮小の影響は大きく、そのような業界を志望していた学生が、就職活動を続ける中で業界を変えて活動をしなくてはならなかったことも考えられます。
*「マイナビ2021年卒大学生活動実態調査(7月)」

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面接がすべてWEBだった割合は国内学生の約2倍、新型コロナウイルスの影響で企業が積極的にオンライン面接を活用

国内学生と日本人留学生の就職活動における行動量(エントリー社数、個別企業セミナー社数、面接社数等)の違いについては大きな差はありませんでしたが、内々定を得た学生のうち面接がすべてWEBで行われた割合は、国内学生と比較して約2倍でした。海外の大学に留学していることや新型コロナウイルスの影響で企業がより積極的にオンライン面接を活用したことが要因と考えられます。

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WEBを活用した採用がスタンダードになる一方で不安も、、、、企業と日本人留学生との有効なコミュニケーションとは

日本人留学生は海外に滞在していることに加えて時差もあり、会社説明会に参加すること自体のハードルが高いといえます。さらに、留学中は周りに日本人学生が少なく、日本での就職活動の情報が入りづらいため、日本人留学生は就職活動の開始に出遅れる傾向にあります。また、日本より卒業することが難しい海外大学は、就職活動と学業を両立させることが難しいという声も多いため、より計画的に活動することが必要です。企業はWEBで説明会や面接を進めており、日本人留学生にとってはこれが採用のスタンダードになることでより活動がしやすくなると考えられます。一方で、すべてがWEB化することで企業と直接会う機会が減り、会社の雰囲気や社員との直接的なコミュニケーションが取れないことから入社への不安につながる懸念もあります。

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そのため、帰国のタイミングで最終面接や面談などを対面で行い、学生と企業双方の相互理解を深める機会が必要です。
また、海外の学事日程が日本と異なることから、日本人留学生に向けた定期的な情報発信や採用イベントの開催、採用時期・入社時期を別途用意することが学生の不安払拭にも繋がる有効なコミュニケーションになると思います。

なお海外大学の学事日程については別記事でまとめています。

マイナビでは日本人留学生と企業をつなぐ企画を用意しています。企画の特徴やご利用いただいた企業の情報などを掲載しています。是非一度御覧ください。

それでは次回の記事もお楽しみください。
今週もお疲れサイでした!🦏