イベントレポート/ポーランドでエンジニアを採用する理由とは?
みなさん、こんにちは!グロサイです🦏
今回はエンジニア人材の採用の手法として、ポーランドをオススメする理由について、実際実績があったイベントレポートと一緒に、ご紹介したいと思います!
世界中から優秀な人材を採用する
優秀な人材を世界中から探し出す-。東南アジアを中心に外国人採用を海外現地で行う企業も増えてきましたが、今回、マイナビが現地採用企画をアレンジしたのはポーランドでした。寒い(これは主観ですが…)、日本から遠い、日本語話せる人少なそう…なポーランドでなぜ採用活動を行うのか、について簡単に紹介します。ヨーロッパ各国がコロナウイルス感染防止のために国境閉鎖するなど海外渡航が実質的に困難な時期を迎えていますが、いまあえて高まる事業・経済活動のグローバル化に伴う海外採用の事例について紹介させていただきます。
1.なぜポーランドなのか?
まず今回の採用予定者はIT人材、研究開発職といった理系人材でした。非常に専門性が高い為、日本語能力は不要、実質的に英語でのコミュニケーションを前提とした高度理系人材の採用を主眼としました。その上でポーランド採用の特徴は大きく3点あります。
1 人口が多い
2 理系人材が豊富、プログラミング能力が高い
3 英語能力が高い
1)人口が多い
まずポーランドの人口は約3,800万人。1.3億人を誇る日本と比較した場合、決して「多い」訳ではありませんが、EU諸国ではフィンランドの約7倍(550万人)、ハンガリーの約4倍(980万人)、ルーマニアの2倍(1,950万人)と、高等教育を受けている人材数は約140万人とヨーロッパにおいてUK、ドイツ、フランスに続第4位となります。
ちなみにIT国家として話題になることが多いバルト三国、例えばエストニアの人口は約130万人。単純に人口だけを比較して良し悪しを語ることはできませんが、国を超えて「日本で働く」ことをどれだけ多くの人材にPRできるかは一つの指標になりえます。
2)理系人材が豊富、プログラミング能力が高い
2つ目は理系人材の豊富さです。理数系という観点で見た場合、以下がポーランドの有名大学として挙げられます。
1. Warsaw University(ワルシャワ大学)
2. Jagiellonian University in Krakow(クラクフ・ヤギェロン大学)
3. Warsaw University of Technology(ワルシャワ工科大学)
4. AGH University of Science and Technology in Krakow(AGHクラクフ工科大学)
5. Adam Mickiewicz University in Poznan.(ポズナニ・アダム・ミツキェヴィチ大学)
これら(1)から(5)の大学に所属する学生のうち「数学」「コンピュータサービス」を専攻とする学生数は約2,000名。機械工学においては3,200名と多くの卒業予定者がいます。
またプログラミングスキルという観点からも注目を集めています。少し古いデータですが、ある統計(最も優秀なデベロッパーはどこの国に集まっているか)ではポーランドは中国、ロシアに続き3番目に位置しています。「プログラミング=アメリカ」の印象が強く、最近では「高度IT人材=インド」の印象が強い中、ポーランドを中心としたヨーロッパ諸国も多くランクインしています。
ちなみに(2)(4)の大学はクラクフというポーランド南部の都市にあります。歴史ある建造物が多くヨーロッパ情緒あふれる美しい街です。首都ワルシャワから特急電車で2時間ほどの距離にあり、ワルシャワとクラクフは日本における東京、京都に例えられます。
3)英語能力の高さ
最後は英語力です。EF社が行う非ネイティブの英語力ランキング(EF EPI:成人の英語力の国ごとのランキング)によるとポーランドは総合スコアで63.76、ランキングでは11位に位置し、Very High Proficiencyに該当します。ちなみに日本のスコア位は51.51、53位にランキングし、Low Proficiencyに該当します。
EF EPIはオンライン受験の結果となるためコンピュータに不慣れな方の英語力が含まれていない、若年層の傾向が強く反映されているという意見もありますが、新卒学生は比較的若い人材が多いため、若手人材の英語力という点では、参考になる指標ではないでしょうか。
4)実はポーランドは親日国家?
なお時々耳にするのが「ポーランドは親日の方が多い」という意見。若い方を中心にコミックや漫画といった文化を起点に日本に興味をもつ方もいるそうです。またワルシャワには日本が援助し、コンピュータ開発者の養成を目的としたポーランド日本情報工科大学、クラクフには日本の技術、文化を紹介するマンガ館(マンガは漫画ではなく、ポーランド人美術収集者、フェリクス・"マンガ"・ヤシェンスキさんに因んでいます)など、日本との接点が感じられる場所が以外とあります。
2.イベントの結果
こうした特徴をもとに、いざ現地で理系人材を集客したところ、200名近くのエンジニアの応募が集まりました。その後、書類選考、現地面接を行いましたが、実際に応募者と触れ、得た印象は以下の通りです。
1)ITだけでなく、機械系・工学系に強い人材が多い
クラクフにあるAGHクラクフ工科大学(現地ではよく「アゲハ」と呼ばれていました)は元々、鉱業を専門的に学ぶ教育機関であり、鉱学からITまで幅広い理系分野の専門人材をそろっている印象を受けました。
2)英語がすごく聞き取りやすい
前述のEF EPIにもある通り、ポーランドの若い人材が話す英語はすごく聞き取りやすいです。いわゆる発音の癖もなく、ものすごく早口でもなく、例えるなら英語教材についてくる音声データのような英語…といいますか非常に英語でのコミュニケーションがはかりやすい印象を受けます。
3)日本への興味がある方が多かった
また日本企業への応募者ということもあって、やはり日本文化や技術に興味をもっている方が多い印象も受けました。面接会場に登場するやいなや「こんにちは」と挨拶する方も少なからずいましたね…。
あとがき
外国人を採用する理由は決してひとつではなく、いろんな理由があるでしょう。日本人応募者が集まりにくい、人手不足を解消するために…といった課題から留学生など「日本語が話せる外国人」を採用する企業も増えてきました。一方で、社内の多様性促進や高い技術を有する人材を世界中から採用する今回のようなケース。まだまだ多くありませんが、少しずつ相談をうけるようになりました。コミュニケーションのメインツールである言葉の壁をなくすことで、採用できる市場は確実に広がる。そう思えた今回のポーランド出張でした。
それでは今日はここまでです。
次回の記事もお楽しみください。
今週もお疲れサイでした!🦏